4.労働相談のページ
 ◎ こんなときはどうすればいいの? 

解雇された(されそうな)とき
@「能力がない、仕事に向いていないから辞めてもらう。」
 ●退職を強要することは違法行為で認められていません。
 ●「辞めるつもりはありません」ときっぱり断りましょう。絶対に自分から「辞めます」と言ってはだめです。
 ●すぐに労働組合に相談しましょう。
 ●簡単に解雇はできません。制約があります。いやがらせ、いじめなどを利用して退職や解雇にしたら「解雇権濫用でその解雇は無効です。
 ●解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、その権利を濫用したものとして無効」(労働契約法第16条)です。
A「君はクビだ」と言われた。
 ●「わかりました」などとは言わないで、解雇の理由を明記した「証明書」を請求してください。
     使用者は、労働者から「退職証明書」を請求された場合には出さなければなりません(労基法第22条)。
      それは、納得のいかない解雇を撤回させたり、不払い賃金を支払わせたりするときの手段です。  
B「経営不振だから辞めてくれ」と言われた。
 ●「整理解雇なのか?」と問いただしてください。もしそうなら、「整理解雇の四要件」を満たすことが必要です。
C「自己都合の方が後々いいので退職届を出してくれ」と言われた。
 ●これも絶対に自分から退職届は出してはいけません。やめるつもりはありません。と宣言して、労働組合に相談されることをすすめます。
 ●万一、退職届を出してしまった場合は、すぐ撤回してください。撤回も文書で提出するといいでしょう。なお、この場合「争い」になった場合は、「退職届」を出さざるを得なかった事実経過を押さえておいてください。
パート・アルバイト・派遣などのトラブルは?
@「君はあしたから来なくて良い」と言われた。
 ●パートでもアルバイトでも労働基準法が適用されます。
 ●「解雇予告手当て」(30日分の賃金)を請求できます。14日以上勤務している場合。
A繰り返し契約更新され、もう2年以上も働いているのに突然「契約更新」を拒否された。
 ●2ヶ月、6ヶ月という短期契約でも自動的に更新されたり、続けて勤務することが期待されるような場合には、「期限の定めのない契約」(常用雇用〜正規社員)とみなされ、正当な理由のない解雇(雇止め)は違法です(労働契約法第19条−13/4/1以降)。
 ●有期契約が反復更新されて通算5年を超えたときには、労働者の申込により期間の定めのない労働契約に転換できます(労働契約法第18条−13/4/1施行)。※ただし、この法律の適用は施行日以降なので、実際に5年を迎えるのは18/4/1となります。
 ●契約社員・準社員などの名目でも有期期限の雇用が繰り返し更新されている場合は上記と同様に見なされます。
 ●使用者は、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(厚生労働省)にもとづいて、契約締結時に、満了後の契約更新の有無を明示しな くてはなりません。契約更新をすると明示した場合には、「する場合」「しない場合」の判断基準も明示しなくてはなりません。


派遣社員のトラブルは?
 ★派遣社員は、派遣元(雇用する会社)と派遣先(実際に働く会社)がことなりますから、さまざまなトラブルが発生します。
★いくつかのトラブルの代表的な例です。
   @ 請負と派遣の違い
       請負は、注文主と請負契約をした会社が、仕事を引き受けますが、派遣と違い、業務の遂行はなどは請負業者自らが行います。しかし、実際に は、注文主が直接請負労働者に業務の指揮命令を行っている場合が多く、実質的には派遣労働と見なされます(偽装請負)。
   A 派遣労働では、直接雇用申し入れ義務が生じる場合があります。
      「派遣受入期間」の制限のない業務では、3年を超えて同一の労働者を同一の業務に受け入れている場合、この同一の業務に新たに新しい労働者を雇い入れる場合は派遣先は、その派遣労働者に直接雇用を申し入れなければなりません。
      「派遣受入期間」の制限のある業務(最長3年)では、派遣受入期間制限に抵触する日以後も派遣労働者を使用する場合は、それまで働いてきた派遣労働者で、派遣先での直接雇用を希望する者に対して直接雇用の申し込みをしなくてはなりません(労働者派遣法第40条の4)。
     しかし、それを悪用して、3年で契約を解除したり、雇止めしてくる事例が多く見受けられます。
   B 契約期間中の契約解除
       派遣契約が、派遣先から中途解除されたことをもって、労働者を解雇する場合がありますが、それは出来ません。
       中途契約解除されても、派遣元は、労働者に契約期間の賃金を全額支払わなければなりません。
   C 繰り返し契約されている派遣労働者への契約解除や更新拒否
       最近は「契約期間」を一ヶ月ごとに更新する場合が多く見受けられます。この場合、一ヶ月ごとに契約更新するので、事実上中途契約解除はなくなり、合法的にいつでも一ヵ月後に雇止めできるようにみえます。
       しかし、「有期労働契約」を繰り返して、続けて勤務することが事実上期待されていたり、事実上自動的に更新を重ねている場合は、「期限の定 めのない労働契約」と見なされ、正当な理由のない雇止め(解雇)は無効です(最高裁判例)。派遣労働者であっても、一定期間雇用を継続した労働者を契約更 新拒否=「雇止め」する場合は、正規労働者を解雇するのと同じ理由が必要になります。すなわち労働契約法第16条にのべられている解雇の客観的な合理性が 必要です。「契約期間満了」は、正当な解雇理由にはなりません。
   D 休日(年次有休休暇)、残業代などは、労働基準法どおり、派遣労働者にも適用されます。
  E 雇用保険や社会保険、厚生年金保険などにも条件があえば加入が義務となり場合もあります。
 さらに詳しいことはお問い合わせください。
   F 日雇い派遣は原則禁止(12/10/1施行)
       労働者派遣法は12/10/1に改正され、「日雇い派遣」が原則禁止になりました。
       ※禁止されるのは、30日以内の日雇いに限られる。政令18業務の例外、高齢者(60歳以上)と生業収入500万円以上の人の主婦の副業は例外として認められるので要注意。
  

この他にも、残業代不払いがおきたとき、会社が倒産してしまったとき、突然の出向配転がおきたとき、賃金の未払いがおきたとき、労災問題、セクハラ問題、職場内でのさまざまないじめなどさまざまなトラブルがおきています。
  こんなときは一人で悩まず、すぐ相談しましょう。
 
     
◎江東区労連にはさまざまな労働相談が寄せられています。
  相談は早いにこしたことはありません。
  仕事上の悩み、会社(上司)からの嫌がらせに悩んでいたら

 ◆江東区労連にご相談ください。
   メールでの相談はmail@kotokuroren.com
   電話での相談は 5606−5285

   相談は無料です。また依頼者の秘密は絶対に守ります
   必要に応じて行政機関や法律事務所などを紹介する場合もあります。

 ◇主な行政機関などの連絡先

労働相談情報センター亀戸事務所 江東区亀戸2−19−1 カメリアプラザ7階
      最寄駅・・・・JR亀戸駅下車徒歩3分
 3637−6110 
亀戸労働基準監督署 江東区亀戸2−19−1 カメリアプラザ8階
      最寄駅・・・・(同上)
 3637−8130
ハローワーク木場 江東区木場2−13−19
      最寄駅・・・・東西線木場駅徒歩3分
 3643−8609


○主な相談事例と結果について
 ・Q ある大企業系列商社マンの青年。転勤か退職かを迫られた。
  労働組合に加入して交渉した結果、退職強要を撤回、同じ会社のシステム部門に異動して元気に働いている。
 
 ・Q ある大手着物会社に17年勤めたパートの女性。突然の雇止め。
  労働組合に加入して、交渉した結果、正社員の8割相当の退職金を得ることで合意。円満に退職。
    (丸子警報器裁判・均等待遇から正社員の8割以下の賃金は公序良俗に反する)
 
 ・Q ある大手企業の契約社員。正社員化を口約束しながら、雇止めを強行。
  労働組合に加入して交渉。粘り強く継続雇用を求めるが、最終的に約10ヶ月分の給与を支払うことで合意し、円満退社となる。  

 ・Qある化粧品会社のパート社員
  パート社員への売上げノルマを強調するなかで、ハラスメントや顧客カードをとりあげるなどの行為が目立った。
  当初1名だけ残っていた組合員から相談があり、組合への加入が進み、交渉を続ける中で、改善までは程遠い内容だが、一定改善しハラスメントも少なくなっている。

 ・Q大手不動産会社のOL。業績悪化を理由にして整理解雇通告。
  解雇通告にさかのぼること1年前に、一方的に年俸をカットしてきたため、組合加入。交渉する中でもとの賃金に戻した。ところが、その後業績が急速に悪 化し、数回の希望退職などを経た後、整理解雇通告がなされた。会社とねばりづよく交渉する中で、退職日の延長と解決金の上乗せなどで、円満に退職すること で合意した。

 ・QあるIT会社で働いていてうつ病になってしまったOL
  会社の上司に数回にわたって退職強要され、うつ病になり相談。組合に加入して交渉を申し入れ、就業規則にもとづいて病休にして、「傷病手当金」の手続きをしてもらう。休職期間満了による退職時にも交渉し、一定の解決金を得て退職となった。(うつ病等会社のイジメ等で体調を崩し、出社できなくなるような状況になってしまった相談はかなり多くなりました。あきらめずに労働組合にご相談下さい)

 ・Q製鋼関連の下請け会社で組合をつくった
  就業規則もない、休日出勤割増も出ない等の労基法違反に見かねた労働者が相談に。仲間を増やして組合(地域労組こうとう分会)を結成し、団交を行った。会社は、調べて回答する。夏に支給されなかった一時金は年末に支給と回答した。

 ・Q残業代を会社に請求したら解雇された
  貸切バスの運転手。長距離運転で残業が蔓延。社長に請求したら解雇通告が送付されてきた。組合として団交申入れして交渉したが、残業代の支払い拒否で決裂。労働審判を申立、2回の期日で和解が成立して解決した。(個別労使紛争の場合、裁判所の「労働審判」手続きが利用できます。この場合も労働組合等で会社と交渉した記録や解雇理由証明書等の文書類、イジメの場合はその場面を録音した記録等が証拠になります)

 ・ハローワークの労働条件と実際に入社後の条件が異なり、社長に直談判したら警告書が来た
  ハローワークの条件では、事務職だったが、実際は店舗の売り子だった。休日も労働時間も異なったので、何度か会社に是正を求めたが、何も改善しなかったので、社長に手紙を出したり、直談判したら、「業務妨害」だと警告書がきた。組合として対応し、労働条件の変更や賃金等について粘り強く交渉した結果、本人も満足できる地位と部署に配転できた。今でも元気に働いている。(※ときどき、労働条件や会社のやり方をめぐって会社側と個別交渉した結果、こじれてしまう相談があります。会社と対等に交渉できるのは法律上労働組合だけです。無理せずに組合に相談してください。)

(※)在職期間が1年以上あり、社会保険に加入し、在職中に傷病手当金の支給を受ければ、退職後も最高1年半にわたって傷病手当金を受け取ることができます。雇用保険はその間、延期願いをだしておけば、傷病手当金の受給後から雇用保険を受けられます。

  

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